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読書 406 ひと 著者 小野寺 史宜

2021年10月23日 11:44 AM

「女手ひとつで僕を東京の私大に進ませてくれた母が急死した。僕、柏木聖輔は二十歳の秋、たった独りになった。大学は中退を選び、就職先のあてもない。そんなある日、空腹に負けて吸い寄せられた砂町銀座商店街の惣菜屋で、最後に残った五十円のコロッケを見知らぬお婆さんに譲ったことから、不思議な縁が生まれていく。本屋大賞から生まれたベストセラー、待望の文庫化。」

 

最近、シビアな本ひとを読んでいたので、少し、気持ちが明るくなれるものはないかと書店で探していたところ、表紙が目につき、買ってみました。

タイトルが「ひと」。

コロッケから、どんな縁が生まれるんだろうと読み進めていくと、これが、とても心に沁みる、あったかいお話でした。

主人公の柏木聖輔は、置かれた境遇の中で、自分の生きる道をゆるやかに探していく。

身の回りにおきたことを淡々と受け止め、他人を恨んだりせず、与えられた環境の中で日々を過ごす。

その姿勢が周りに自然に伝わり、心を寄せてくれる人達が集まってくる。

全ては自己責任という気持ちで、見つけた目標に向けて歩んでいく姿には、透明感を感じてしまいます。

この本を読んでいるだけで、心が洗われるような感じでした。

そして、ラストの一行で、どっと胸が熱くなりました。

ぐいぐいと引っ張っていくようなストーリーではありませんが、読みだすと止まらない、心温まる小説。

最近読んだ中では、一推しの本でした(院長)。

   

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