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読書 395 今はちょっと、ついてないだけ 著者 伊吹 有喜
2021年08月06日 6:27 PM
「バブルの頃、自然写真家としてもてはやされた立花浩樹は、ブームが過ぎると忘れられ、所属事務所に負わされた多額の借金を返すうちに四十代になった。カメラも捨て、全てを失い。自分が人生で本当に欲しいものとは、なんだったのか?問い返すうち、ある少女からの撮影依頼で東京へ行くことになった浩樹は、思いがけない人生の「敗者復活戦」に
挑むことになる。」
光文社×未来屋書店の推し文庫フェアとして並べられていた本の中の1冊。
「今はちょっと、ついてないだけ」というタイトルと、「敗者復活」という言葉に惹かれて読んでみました。
バブルの頃にブームに乗ったが、いつの間にか忘れ去られてしまったプロのカメラマン。
メディアが作ったタチバナユウキというキャラクターを演じていたが、バブル崩壊とともに、連帯保証人という事で3000万円の借金を背負わされ、田舎に戻り、全額返済する。
が、気がついたら、独身のまま40歳を過ぎていた。
母親が入院していた病院のお見舞いの場で、写真撮影の依頼がありを再開するきっかけをつかむ。
そこから、写真家としての活動が再開する。
求められることに応えるように動いたら、人がついてきて流れが変わってくる。
波打ち際で濡れないように、波を追いかけたり引いたりするように間合いをとりながら歩む・・・。
人生の波に乗れるかどうかというのはあると思いますが、自分のサイズを見誤ると、足元をすくわれてしまう事もあるでしょう。
どんな状況になっても、自分を見失わないようにすることは大切ですね。
時代設定が、ほぼ、自分と重なり、静かに頷きながら読んだ本でした(院長)。
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