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休診日:水・日・祝祭日
※お待たせすることをできるだけ少なくするために予約制とさせて頂いております。
「うちはしあわせになってはいけんのじゃ」愛する者たちを原爆で失った美津江は、一人だけ生き残った負い目から、恋のときめきからも身を引こうとする。そんな娘を思いやるあまり「恋の応援団長」をかってでて励ます父・竹蔵は、実はもはやこの世の人ではない。「わしの分まで生きてちょんだいよォー」父の願いが、ついに底なしの絶望から娘をよみがえらせる、魂の再生の物語。
舞台は昭和23年の広島。
原爆投下後の親子の物語。
劇場公演のために書かれ、実際に、日本だけではなく、フランスなどの海外でも上演されたようです。
被ばくし、将来、周囲の事を考え、結婚しないと決めた自分と意中の人を慕う自分との心のせめぎ合い。
応援する父。
美しくも切ない恋の物語。
翻訳により、広島の方言で書かれたセリフの面白さが消えてしまったにも関わらず、海外でも、かなりの好評を得たようです。
とても考えさせられるお話でした。
著者はナガサキについても書く予定だったようですが、思いは叶いませんでした。
亡くなったのが2010年。
2011年の震災時に存命だったら、どのような言葉を発してくれたのでしょう。
聞けないのが残念です
表紙は和田 誠さんのデザインでした(院長)。
「年老いた母を種付け馬・花雲の背中に乗せ、嘘を封じる百ヵ所まいりに出た若者。馬の名産地・桜七牧で、真実を述べたばかりに八十八回叩かれた腹いせに、同じ数の嘘をつき生きることを決意、自ら八十八と名乗る。悪代官に野盗の頭目、一癖も二癖もある相手に、嘘つきの天才八十八が言葉巧みに勝負を仕掛ける。恋あり、オゲレツあり、爆笑必至、痛快な男の出世物語。」
学生の頃に単行本を買っていたのですが、読まずにそのままになっていました。
今回、文庫本になったものを見つけ、再度トライ。
これが、読み始めたら止まらない!。
嘘を武器に江戸時代の権力と闘う。
危機が押し寄せても、巧みな嘘で乗り切る。
最初は自分のためだけにやっていたことが、回を重ねるごとに周りの人間関係の中での行動に変化する。
成長していく姿に引き付けられます。
痛快という言葉は、この小説のためにあると言っても過言ではないでしょう。
馬の言葉がわかる八十八が、馬とコミュニケーションをとりながら旅をする。
男と女の間の駆け引きも、おおらかな江戸時代を背景に、美しくも面白く描かれています。
まさに、嘘も方便。
使い方によって、こんなにも威力を発揮するんですね。
結末は、以前読んだ、東北地方の先住民、蝦夷のアテルイを主人公とした「まほろばの疾風」をちょっと彷彿させ、心に熱いものを感じました(院長)。
令和2年12月29日(火)から令和3年1月5日(火)まで休診とさせて頂きます。
緊急の場合は下記診療所にて急患対応しております。
お問い合わせください。
公益社団法人 東京都八南歯科医師会
●日野市休日歯科応急診療所(12月29日から1月3日まで)
日野市高幡1011 日野市立福祉支援センター内
●042-594-2111
●受付時間 : 午前9時から午後4時まで
※保険証及び各種医療証等をお持ちください。
「人はいったい体のどこで考えているのか。それは脳、ではなく歯。人並みはずれて健康な奥歯、であると決めた<わたし>は、歯科助手に転職し、恋人の青木を想い、まだ見ぬ我が子にむけ日記を綴る。哲学的テーマをリズミカルな独創的文体で描き、芥川賞候補となった表題作ほか一遍を収録。著者初の小説集。」
歯科雑誌で紹介されていたので早速購入。
作者は実際に歯科医院での勤務経験があるらしい。
歯科環境の描写、材料の扱いに対する表現など、私たちでは思いつかないような視点で現わされており、とても新鮮でした。
人は脳ではなく歯で考えている・・・。
言われてみれば納得してしまう、とても不思議な空気を醸し出しています。
登場人物の感情の高まりに沿って読むスピードがアップしたり、受け身になって人物像を考察したりと、約100ページの文章の中で様々な世界を行ったり来たりしました。
これから、歯との接し方が変わるような気がします(院長)。
『花粉症は「非寛容」、コラーゲンは「気のせい食品」!?生物学者・福岡ハカセが語る、最先端の生命科学から探求心の育て方まで。明晰かつユーモラスな筆致に理系は苦手というあなたも思わず膝を打ち、腑に落ちる。ノスタルジックに描かれるセンス・オブ・ワンダーの気づきの深い余韻を残す、傑作科学エッセイ。』
福岡ハカセの本は、語り口が好きで、今まで何冊も読んでいます。
今回は、表紙の美しさにつられて買いました。
ハカセの代名詞とも言われる「動的平行」はもちろん、昆虫の事、フェルメールの事、大学の話、ハカセはいかにして作られたか、など、柔らかくも深い文章で語られています。
生物学者という枠組みに捕らわれない柔軟な発想。
少年の心を失わずに物事を見つめ探求する姿には憧れと敬意を覚えます。
読み終えると、毎回ほっとするのは何故なのでしょう。
大阪万博でときめく心を、いまだ保ち続けているハカセ。
これからも追いかけていきます(院長)。
「江戸・天明年間、シケに遭って黒潮に乗ってしまった男たちは、不気味な沈黙をたもつ絶海の火山島に漂着した。水も沸かず、生活の手段とてない無人の島で、仲間の男たちは次々と倒れて行ったが、土佐の船乗り長平はただひとり生き残って、12年に及ぶ苦闘の末、ついに生還する。その生存の秘密と、壮絶な生きざまを巨細に描いて圧倒的感動を呼ぶ、長編ドキュメンタリー小説」
ロビンソン・クルーソーを読み、無人島漂着関連の他の本を探し、読んでみました。
こちらは、事実をもとに書かれたもの。
江戸時代の物流は、船による運搬がさかんに行われていたが、季節によってはかなり危険を伴うことと、幕府の政策に船の構造に制限があったことなどがあり、海難事故は多発していたようでした。
難破し無人島にたどり着き、12年間の無人島生活。
火山島という不毛の土地で、道具も何もないところから、アホウドリや海藻などを食料にして生活をする。
食事の偏りと気力の低下により体調を崩し、仲間が亡くなっていく。
数年後にあらたに漂着した人々との共同生活を、自らの経験を伝授しながら営む共同生活。
そんな中、漂着物から船を作ることを思いつき船作りに取り組む。
常に、希望を抱く事の必要性を胸に、ついに船が完成。
人が住む島にたどり着き、本州への帰還を果たす。
12年間、故郷へ戻る思いを失わずに、孤独と闘いながら生きる。
欲望を消し、意欲というエネルギーで邁進する姿には圧倒されます。
他との比較で運、不運を考えてしまうと不幸になってしまう。
自分との戦いに負けなかった人に与えられた、帰還というご褒美。
読むのにエネルギーを要しながらも、力をもらう本でした(院長)。
「1632年、英国に生まれた船乗りロビンソンは、難破して絶海の孤島に漂着した。ここから28年に及ぶ無人島生活が始まった。不屈の精神で鳥や亀を獲り、野生の山羊を飼いならしてバターやチーズを作り、パンまでこしらえてしまう。ところが驚天動地の事態が・・・。めげない男ロビンソンを通して人間の真の強さを描き、世界中に勇気と感動を与えてきた、冒険小説の金字塔。待望の新訳。」
2019年に新訳された作品。
今まで、冒険小説として、十五少年漂流記、宝島、海底二万里など色々と読んできましたが、また一味違った面白さを堪能しました。
名著として読み継がれている理由がわかります。
親の反対を押し切って船乗りとなったが、そこが運命の始まり。
難破し孤島での生活がスタートします。
手元にはほとんど何もない状態だったが、座礁した船から物資を運びだし、生活の拠点を作る。
野生の生き物を巧みに利用し、共存生活を営んでいく生命力にぐいぐいと引き込まれていきます。
蛮人との遭遇など、様々な難関を乗り越え島からの脱出を図る。
もともとは、生活力の欠如した主人公が、孤島で28年間生活を送る力を身に着けていく。
宗教的にも開眼していく様は、教えられるものがありました。
自分との戦いを克服していく、世界一めげない男、ロビンソン。
現在の閉塞した社会において、夢と勇気と感動を与えてくれます。
このタイミングで読むことが出来た事の喜びを味わっています。
名著は、時代が変わっても名著として息づいているんですね(院長)。
「現代とはまるで似ていない気候激変の時代を生き延びてきた人類。
福井県の水月湖に堆積する「年縞」。何万年もの前の出来事を年輪のように1年刻みで記録し、現在、年代測定の世界標準となっている。その年縞が明らかにしたのが、現代の温暖化を遥かにしのぐ「激変する気候」だった。過去の精密な記録から気候変動のメカニズムに迫り、人類史のスケールで現代を見つめなおす。」
“著者は古気候学、地質年代学を専攻し、趣味はオリジナル実験機器の発明という根っからの科学者。
年縞堆積物の花粉分析を通して、過去の気候変動の「タイミング」と「スピード」を解明することを目指している。”と紹介されています。
過去の堆積物が奇跡的に保存されていた水月湖の年縞を分析し、地球の気候を類推していくわけですが、気の遠くなるような時間を要する地道な作業で、過去を解明していきます。
以前、霊長類の研究に興味があり、サルの本ばかり読んでいた時期がありましたが、その時のわくわく感が蘇ってきます。
この研究により、現在の気候変動のサイクルが、この15万年の中でもちょっと異例の変化が出ていることが分かってきたようです。
狩猟採取生活が農耕牧畜に移行した、というか、出来た理由も繙かれています。
地球の自転軸、公転軌道の変化も気候に影響するミランコビッチサイクル。
気持ちは天空まで昇り、思想が地球に再度、降臨する、とても壮大なロマンの中で展開される物語。
45億年の地球の歴史の中の、この数万年において、ホモサピエンスは何をしでかしているのでしょう?
色々な事を見つめなおす事が必要な時期にあるのかも知れませんね(院長)。
新型コロナウイルス感染の状況が落ち着かない中、皆さんはどのようにお過ごしでしょうか。
私の場合、以前は休みの日になるとランニングの大会に参加したり、長距離ランにトライしたりしていましたが、この状況では大会も開催されず走るモチベーションも低下し、家で過ごすことが増えてきました。
曲を作ったり、本を読んだりと、まったりと過ごすわけですが、最近、ベースを弾く時間が大分増えてきました。
朝食を終えると部屋に籠って、以前購入していた教則本を引っ張り出し、昼食も摂らずにひたすら弾き続けています。
今、練習している曲は、「ベース弾き語り曲集」にある、スピッツの「空も飛べるはず」。
ベースで和音を奏で一緒に歌うという、一人で完結してしまうという素敵な世界。
演奏だけのソロベースとはまた一味違った面白さを体感しています。
並行して、「となりのトトロ」「君をのせて」など、ジブリの曲を練習したり、クラシックの曲を弾いてみたりと、あっという間に1日が終わってしまいます。
部屋にこもって弾く、まさに「弾きこもり」状態。
レパートリーも増えてきました。
和音を考えていると、ポジションの音も自然に身に付く、一石二鳥のエクササイズ。
本のタイトルに「きっと誰かに聴かせたくなる」とありますが、確かに、曲をマスターし誰かに聴いてもらう事を夢見ています。
4弦から繰り出される魅惑の曲集。
益々、ベースが楽しくなってきました(院長)。
「世間のこと、世界のこと、老いること、祈ること、そしてよりよく生きること。
日本の音楽シーンを牽引してきた音楽家・細野晴臣が、20年来の仲間・鈴木惣一朗を聞き手に、大事なことを「小声」で語った人生問答。老若男女を問わず、すべての人に「福」を「分」けてくれる、80講。」
はっぴいえんど、YMOと、常に日本の、時には世界の音楽界をリードしてきた音楽家が語る人生。
淡々と語られていますが、とても深~いお話が満載されています。
この方も、ベーシスト。
音楽を低音で支える人は何かが違います。
祖父はタイタニック号の数少ない生還者の一人。
これだけでも凡人との違いは明らかです。
地球にたゆたって生きる。
全ては、自分ではコントロールできない大きな流れの中で生きているという事を再認識させられました。
人間以外の生き物の姿から自分たちを振り返り、地球上で生きていく上での礼儀を考えさせられた本でした(院長)。
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