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※お待たせすることをできるだけ少なくするために予約制とさせて頂いております。
「交通事故で妻を亡くし、自身も大けがを負った結果、音を聴くと香りを感じるという共感覚「嗅聴」を得た鳴瀬玲司は、ピアノの調律師を生業としている。さまざまな問題を抱えたピアノ、あるいはその持ち主と日々接しつつ、いまだに妻を忘れられずにいた鳴瀬だったが、ある日、仕事で仙台に向かうことに・・・。」
この著者が好きで読んでいた時期がありました。
マタギを描いたもの、東北地方の先住民、蝦夷(えみし)のアテルイを主人公に書かれたものなど、感動的な作品が多く、好きな作家の一人です。
その彼が、ピアノの調律師について書いた作品があったことは知りませんでした。
2010年から2012年までに雑誌に掲載されていたものが2013年に単行本として出版されています。
この間に、作者にとっても、日本人全てにとっても大きな出来事がありました。。
2011年の東日本大震災です。
著者も宮城県在住なので、リアルに震災を体験していると思います。
最初は共感覚をもつ調律師というテーマで書かれたものが、震災を境に別の作品へと変化したようです。
確かに、言われてみれば、文章の重さが途中から変わったようにも思われます。
実体験した人にしか表現できない空気が漂っています。
最初に描いていたストーリーとは別の作品になったと思いますが、震災文学として一つの位置づけを持ったものになっています(院長)。
昨年の12月29日は、恒例の年末ランを行いました。
以前、ウルトラマラソンに備えて大月までの57キロを走ったことがあったので、今回は大月~富士山駅をコースとしてトライしました。
富士山へ向かって走っていくため、当然の如く、延々と上りが続きます。
大月駅をスタートして程なく橋の看板が・・・。
見た瞬間に、お酒、ビールが頭をよぎり、モチベーションを失いかけましたが、気を取り直して前進。
富士山の雄姿を見ながら向かいます。
途中、リニアモーターカーの路線をくぐります。
さらに進むと、何やら怪しい看板が目の前に現われました。
ジョージワシントンというケーキ屋さんです。
地元では有名なのでしょうが、初めてなので、どうも戸惑ってしまいました。
残雪もあり気温も下がり、あとどれくらいなのだろうと思っていたところ、漸く富士吉田市へ突入。
残り僅かある事をマップで確認しラストスパート。
目的地の富士山駅に到着。
距離は24キロでした。
トイレで着替えてから、吉田うどんで体を暖めます。
平べったいかき揚げが富士山の形をしている富士山うどんを注文。
お腹を満たしてから富士急行に乗り帰宅。
小刻みにルートを繋ぎ、最終的には、妻の実家の三島を目指す予定です。
その場合、次は富士山駅から少なくとも御殿場まで走らないといけないことになり、かなりハードルの高いランになりそうです。
以前、三島~修善寺は走ったことがあるので、日野から修善寺までを結ぶ事を目標に、これからも積み重ねていきます(院長)。
「仙台市の大学に進学した春、なにごとにもさめた青年の北村は四人の学生と知り合った。少し軽薄な鳥井、不思議な力が使える南、とびきり美人の東堂、極端に熱くまっすぐな西嶋。麻雀に勤しみ合コンに励み、犯罪者だって追いかける。一瞬んで過ぎる日常は、光と痛みと、小さな奇跡でできていた。明日の自分が愛おしくなる、一生モノの物語。」
学部と時代が違いますが、著者と出身大学が一緒なので、ストーリーの背景がわかりやすく、自分の過去を振り返りながら読みました。
伊坂幸太郎作品は何冊か読んでいますが、今回が一番心に溶け込んできたような気がします。
私たちが学生の頃、特に教養部の頃は、同級生を見つけては街へ繰り出していました。
時間は永遠にあるかのごとく過ごす日々。
たわいもないことにエネルギーを投入する毎日。
良いことも悪いことも全部含めて、とても充実した日々でした。
振り返ると、社会に出てからでは出来ない事を、存分にやらせてもらったような気がします。
仙台は、学生に優しく、都市のサイズも程よく、とても住みやすい所だったと思います。
そんな事を、4人の登場人物が思い出させてくれました。
輝いていたあの時代。
あの時があったからこそ、今が踏ん張れるんですね。
新たな年を迎える前に、とても素敵な作品と出会えました(院長)。
今年のボイストレーニングの締めくくりとして、プリマ音楽教室発表会に参加してきました。
場所は、ひの煉瓦ホール小ホール。
午前中にリハーサル。
それぞれがを歌う曲を、伊藤先生のピアノにのせて発声します。
参加者のほとんどの方々が経験者で、かつ、グループレッスンのお知り合いということで、みんな和気あいあいと準備しています。
私と言えば、全くの初心者で知り合いもいない中、近年まれにみる緊張感を覚え、教わった事が頭から吹っ飛んでしまい、何をやっているのか全く分からない状態でリハーサルを終えました。
「なんで、こんな事をやっているんだろう・・・。」と、自分を見失い、取り敢えず本番に向けて、お腹を満たそうと、ビュッフェに行ったところ、同じ参加者の方に声を掛けて頂き、一緒に昼食をとりました。
お話をしているうちに、少し緊張感が和らぎ、「どれ、取り敢えずやってみるか。」というところまでモチベーションを持ち上げ、いざ、本番。
舞台の袖で控えていると、緊張していることが周囲に伝わったようで、みんなから、「大丈夫、大丈夫。」と声をかけられたり、挙句の果てには、年上の方に肩を揉んでもらったりと、周囲の方々にはお気遣いいただきました。
そしていよいよ本番。
名前を呼ばれてステージの中央に行き挨拶後、ピアノの伴奏がスタート。
最初の音を出してからは、夢中で歌いました。
反省点は色々とありますが、途中止まる事もなく、やれるところまでは出来ました。
これが、今の自分の実力です。
打って変わって、打ち上げでは大騒ぎ。
根っからのお調子者です。
60歳を目の前にして、またあらたなスタートラインに立ちました。
歌の面白さの扉が見えてきたような気がします。
素敵な先生、仲間に囲まれ、とても幸せな時間を体験させていただいています。
唐沢先生、今年は大変お世話になりました。
来年も気持ちよく声を出していきます(院長)。
「急成長した健康食品会社の社長が事故死した。遺言状が無いため、自由奔放な妻・武光まり子は10億の遺産を独り占めするはずだった。しかし、財産を食い潰す息子、会社の乗っ取りを狙う医師の義弟、そして突然現れた非嫡子らの企てに嵌められていく。無欲を装い、ひとり勝ちする悪党は誰か?昭和を舞台に黒い欲望と打算を描く相続ミステリー。」
口中医桂助シリーズなど、時代小説で有名な著者の作品。
財産の取り合いと会社経営など、思惑が絡み合い、様々な駆け引きが展開されます。
絵画や、著者の得意とするハーブの世界が描かれる中で、結末を迎える。
意欲と欲望のはざまで揺れ動く心理が面白く描かれています。
殺人などもなく、とてもアットホームなミステリーで安心して一気に読みました。
和田はつ子さんの文体は、私の体に染みついているようです(院長)。
「すべてが上手くいく人と八方塞がりな人。それは、運が「いい」か「悪い」かの違いと言える。頭が良ければ、誰もが成功を手にする訳ではない。過去のネガティブな経験を増幅させず、未来に向かう姿勢こそが重要。何をなすべきかを感じとり、スジが良い脳を育てることに意味がある。世界一のアスリートや優秀なビジネスパーソンが、まさにそうだ。脳と感性の研究者が説く「運」の極意」
この著者の本は以前に何冊か読んでいます。
基本的に同じことをベースに書かれているのですが、切り口が変わると、またあらたな気づきが生まれます。
物理学を専攻した後、脳科学の世界に足を踏み入れた目線での知見は、科学という範疇さえ超えた、とても大きなものを感じます。
何か、包み込まれているような、これを母性というのでしょうか。
「この世は謎に満ちていて、だから素敵です。」
この一言にはっとさせられました。
私たちを取り巻く地球、宇宙まで一度目を向けた上で語られている、家族、親子、社会などの人間関係。
とても分かりやすく語られていますが、非常に深い内容を含んでいます。
もう少し、自分を見つめてみようと思いました(院長)。
「私は物心つく頃から今も、沢山の猫に囲まれて共に生きています。『ねこのおうち』の中でおばあさんが病気になるまで愛され飼われていたニーコは、雑種だという理由で講演に捨てられたキジ虎です。ある理由でおばあさんとも別れることになったニーコは、子猫たちを生んだあと、講演に撒かれた毒団子を食べて苦しみながら息絶えます。残され、ノラとなった6匹の子猫たちと、彼らと出会った人々との心の触れ合いと再生・・・。哀しみの中に救いと愛を、柳美里さんは描かれました。愛を与えるのも、命を奪うのも同じ人間。何度も読み返したい、大切な本に出合えたことに感謝して、これからも不幸なねこたちの「おうち」を見つけるお手伝いをしていきたいと思います。」
中川翔子さんの言葉です。
動物を飼った経験がないのですが、勧められて読んでみました。
一匹のねこから始まる、生き物の命の物語。
それを取り囲む人間たち。
愛情、環境、利害関係などが絡み合い、ねこの運命が決められていきます。
人間の方も、家族、親子関係などで悩みを抱えているわけですが、捨てねことのかかわりの中から、あらたな愛情が生まれ共生していきます。
生きること、命、愛というものを見つめさせられました。
最終章は涙なしには読めませんでした。
余韻を味わっています(院長)。
発表会前、最後のレッスン。
発声を行ってから、早めに曲に取り組みました。
感情をどのように入れていくか。
あまり入れすぎて、楽譜を崩すような事にならないように注意しなければいけないと、的確なアドバイスを受けました。
次は本番。
午前中にリハーサルを行い、午後に発表。
当日のスケジュールをもらい、緊張感が高まっています。
気持ちを整えて臨みたいものです。
続けて、講座。
今回は歌いやすい呼吸の仕方について。
外肋間筋と横隔膜の力のバランスを考えながら声を出す。
まだまだその域には達していませんが、イメージは大切です。
息の速さをキープするためには・・・。
体の使い方で、喉に負担を掛けずに声を出すことが出来そうです。
まだまだやれることは沢山あります。
頭の中を整理して、あまり考えずに自然に声を出せる日がくることを夢見ています(院長)。
「オリンピックの重圧、婚約者との破談、最後の日々に付き添った謎の女・・・。
膨大な数の書簡、親族・関係者への取材から、日本中に衝撃を与えた自殺の真相に迫る。」
東京オリンピックで競技場まで2位で入ってきたが、ゴール直前で追い抜かれ3位となった姿は、映像で何度か見たことがありました。
その後、次のメキシコオリンピックを目指し練習を積んでいたにもかかわらず、1968年1月に27歳で自殺し帰らぬ人となった円谷選手。
その事実しか知らなかってので、新聞の紹介を読み、手にとりました。
マラソンという孤独な闘い、自衛隊員という、国を背負っているという意識、周りからの期待、若手の成長など、重圧は計り知れないものがあったと思います。
それに加え、婚約者との破談により、ますます日常的にも追い込まれ、逃げ場を失っていったのは当然なのかも知れません。
応援、期待はエネルギーになるかも知れませんが、大きくなればなるほど、そして期待に応えれば応えるほど、さらに重圧は過大になり一人の人間ではクリアできない一線を越えるのでしょう。
世の中でも、ほんの一握りしかいないオリンピックのメダリスト。
他にも、金メダルをとった後で自殺した日本人アスリートもいるようです。
遺書に書かれた文章には川端康成、三島由紀夫らも高い評価を与えています。
その二人も、その後自殺するわけですが・・・。
私たちには計り知れない世界があるようです。
自分の意志ではコントロール出来ない何か大きな力、流れが生まれていたのでしょうか。
ん~。
遺書の最後の文面「幸吉は父母上様の側で暮しとうございました」は究極の言葉です。
なんとも悲しく美しい話でした(院長)。
「麻美の彼氏の富田がタクシーの中でスマホを落としたことが、すべての始まりだった。拾い主の男はスマホを返却するが、男の正体は狡猾なハッカー。麻美を気に入った男は、麻美の人間関係を監視し始める。セキュリティーを丸裸にされた富田のスマホが、身近なSNSを介して麻美を陥れる凶器へと変わっていく。一方、神奈川の山中では身元不明の女性の死体が次々と発見され・・・。」
いつの間にか、スマホ無しでは生活できないような世の中になってきました。
携帯が巷に広まってきた頃には、出来るだけ自分の時間が欲しく拘束されたくないと思い、なかなか手を出さなかったのですが、仕事の関係でどうしても必要になり使うようになり使うようになってからは、あれよあれよという間に、ほとんどの人が所持するようになりました。
歩きスマホや、ゲームなどで問題が起きているのはニュースで知っていましたが、まさか、命に関わるような事態まで発生する可能性があるとは知りませんでした。
私たちが普段取り扱っている情報は、ほんの上澄みの部分で、それにより、ディープな世界での情報の蓄積が行われているようですね。
気を付けないと・・・。
あらためて、情報の取り扱いは慎重に行わなければいけないと、再認識しました。
色々な意味で、一読の価値があります(院長)。

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