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読書 368 人類と気候の10万年史 著者 中川 毅
2020年11月12日 4:59 PM
「現代とはまるで似ていない気候激変の時代を生き延びてきた人類。
福井県の水月湖に堆積する「年縞」。何万年もの前の出来事を年輪のように1年刻みで記録し、現在、年代測定の世界標準となっている。その年縞が明らかにしたのが、現代の温暖化を遥かにしのぐ「激変する気候」だった。過去の精密な記録から気候変動のメカニズムに迫り、人類史のスケールで現代を見つめなおす。」
“著者は古気候学、地質年代学を専攻し、趣味はオリジナル実験機器の発明という根っからの科学者。
年縞堆積物の花粉分析を通して、過去の気候変動の「タイミング」と「スピード」を解明することを目指している。”と紹介されています。
過去の堆積物が奇跡的に保存されていた水月湖の年縞を分析し、地球の気候を類推していくわけですが、気の遠くなるような時間を要する地道な作業で、過去を解明していきます。
以前、霊長類の研究に興味があり、サルの本ばかり読んでいた時期がありましたが、その時のわくわく感が蘇ってきます。
この研究により、現在の気候変動のサイクルが、この15万年の中でもちょっと異例の変化が出ていることが分かってきたようです。
狩猟採取生活が農耕牧畜に移行した、というか、出来た理由も繙かれています。
地球の自転軸、公転軌道の変化も気候に影響するミランコビッチサイクル。
気持ちは天空まで昇り、思想が地球に再度、降臨する、とても壮大なロマンの中で展開される物語。
45億年の地球の歴史の中の、この数万年において、ホモサピエンスは何をしでかしているのでしょう?
色々な事を見つめなおす事が必要な時期にあるのかも知れませんね(院長)。
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