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読書 128 海峡の鎮魂歌(レクイエム) 著者 熊谷 達也
2016年03月11日 7:13 AM
仙台在住の作家、熊谷達也氏の作品。
以前、彼の作品「荒蝦夷」「まほろばの疾風」などを読み、涙が止まらず、強烈に感動したことがありました。
「東日本大震災から半年後、悩み迷いながら筆をとった、再生と希望の長編小説。」
大正から昭和にかけての函館を舞台に描かれています。
昭和9年の大火災、昭和20年の空襲、昭和29年の台風による洞爺丸沈没。
主人公、敬介はこの全ての災害に遭遇します。
家族を失いながらも、生きる術、生きていく意味を見つけながら日々を歩んでゆく。
全編を通して伝わってくるのは、敬介の強い愛情と優しさです。
自然災害・戦争という、東日本大震災の地震・津波・原発事故と同じような境遇での生き様には教えられる事が沢山ありました。
第1章 喪失
第2章 再生
第3章 鎮魂
今日で、震災後5年を迎えます。
私たち年代の者には、未来である次の世代の人たちのためにやらなければいけない事がまだまだあります。
自分に出来る事は微々たるものかも知れませんが、目の前の一人の幸せを願い、その幸せの輪がさざ波の様に広がっていけるように、日々、積み重ねていこうと思います。
そんな気持ちにさせられる小説でした。(院長)
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