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読書 13 口中医桂助事件帖 春告げ花 和田はつ子(時代小説)
2014年09月04日 1:40 PM
「湯島は聖堂のさくら坂を上がりきったところに、野草園と隣り合って、江戸一と評判の歯抜きの名手、藤屋桂助の<いしゃ・は・くち>があった」で始まる物語。
このフレーズを目にした瞬間から、一気にストーリーの中に引き込まれます。
房楊枝(今で言う歯ブラシのようなもの)作りの職人剛次、南町奉行所同心友田達之助、下っ引きの金吾、入れ歯師の本橋十吾、紀州犬の寒梅というおなじみのメンバーに加え、桂助の仕事の手伝いに訪れるようになった美鈴、人気絵師の喜代麿と多彩な登場人物が彩りを加えて行きます。
第一話 二代目中村梅之丞
第二話 吉原やなぎ
第三話 お歯黒の樹
第四話 春告げ花
今回も桂助が、相変わらず穏やかな中にも切れ味の鋭い視点で様々な事件を人の心を汲み取りながら解決して行きます。
新たな恋の行方も描かれており、今までとはまたひと味違った展開を楽しみました。
私の心の師とする口中医桂助、これからの活躍がますます楽しみです。
志保のその後もとても気になります。
著者は他にも、「料理人季蔵捕物控」「お医者同心中原龍之介」などの時代小説シリーズを出しています。
「日野は大坂上の坂を上がりきったところに、ガソリンスタンドと隣り合って、江戸一楽しいと評判の<きむら歯科診療室>があった」で始まる物語をいつか書けたらいいな~。(院長)
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