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読書 166 ヤノマミ 著者 国分 拓
2016年09月01日 8:36 AM
書店で本を眺めていたら、他の本の存在が消えるかのように目に飛び込んできた表紙。
帯タイトルもなく、写真と題名だけというシンプルなレイアウトがかえって他とは一線を画しており引きつけられるようにして購入しました。
南米で、現在は保護区となったなかで生活する原住民、ヤノマミ。
生と死、自と他、森と動物と人、善と悪など、現代社会では当たり前のように区別、対比されていることが、ヤノマミにとってはすべてが何の境界もなく同居している。
なぜ?と訊かれても答えは出ない。
地球、あるいは宇宙全体が一つの生き物であり、自分自身はその一部であると悟っているかのような生き方です。
生まれてきた命に対しては、精霊になるか子どもになるかは母親の判断に委ねられている。
とても衝撃的なことですが、読み終えると、これが人間という生き物がここまで存続してきた理由なのかと思わされました。
野生の定め、掟の厳しさ、摂理、優さが伝わってきます。
サルを観察することにより人間の原点を探ることが出来ると思い、一時期、サルに関する本を集中して読んだ事がありましたが、それも含めて原住民の生き方を見つめると、より、人間というものの存在の輪郭が見えてきたように思えます。
頭の中はまだまだ整理がついていませんが、ヤノマミを通して人として生きる事について見つめていきます。(院長)
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