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読書 250 病の神様 著者 横尾 忠則

2017年09月26日 10:43 AM

IMG02465「病院に行くと生き生きするという著者が、これまで患ってきた数々の病気とのつき合い方・克服法を一挙公開。動脈血栓で立つこともできなかった足が三島由紀夫の自決を知った途端に治った話、たった八分の温泉入浴で帯状疱疹が消えた話など、独自の死生観とユーモアをまじえてつづったかってない病気エッセイ。」

横尾 忠則の本を初めて読みました。

美術作品はそれなりに目にしていましたが、文章はどうなのだろうと興味を持って読み進めました。

病気との向き合い方がとても新鮮です。

かなり辛いのは確かだが、どこか楽しんでいる。

科学的に分析するわけではないが、きちんと克服してきている。

自分の身体との付き合い方を主観と客観の目を通して理解しているような感じです。

「病気は全ての人間の執着心が生んだ幻想なのかも知れない。」

「人間なんて毎日病気になって毎日治っている。その連続が人生だろう。」

肩の力が抜けるような言葉。

ここから、彼の作品が生まれているんですね。

納得出来ることが多々ある、 かなりポジティブな内容でした。(院長)

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読書 249 山がわたしを呼んでいる 著者 浅葉 なつ

2017年09月25日 9:58 AM

IMG02463「草原でくつろぐ羊や馬。暖炉にロッキングチェア。そんな場所を夢見ていた女子大生あきらのバイト先は、想定外のオンボロ小屋だった。つかみどころのないセクハラ主人をはじめ、口の悪い先輩、マニュアルが手放せない同僚、そしてなぜか正体不明の山伏まで居座って大混乱。お風呂は週一?キジ打ちって何?理想の女性になるために来たはずのあきらが巻き込まれていく、標高2000メートルのアルバイト。」

「神様の御用人」の作者が第17回電撃小説大賞<メディアワークス文庫賞>受賞後に発表した第一作です。

紹介の文章を読み、最後までドタバタと進むのかと思っていましたが、実は心暖まるストーリーで、「神様の御用人」シリーズの芽が見えてきます。

初々しさが感じられますが、とても良いお話。

私の場合、山は走りに行く場所で、あまり風景などを楽しんだことはありませんが、ロードとは違って、包み込んでくれる何かをいつも感じています。

山の素顔を優しく教えてくれます。

受賞作も読んでみよう。(院長)

 

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読書 248 夢の守り人 著者 上橋 菜穂子

2017年09月21日 10:28 AM

IMG02458「人の夢を糧とする異界の花に囚われ、人鬼と化したタンダ。女用心棒バルサは幼な馴染を救うため、命を賭ける。心の絆は花の魅力に打ち克てるのか?開花の時を迎えた花は、その力を増していく。不可思議な歌で人の心をとろけさせる放浪の歌い手ユグノの正体は?そして、今明かされる大魔術師トロガイの秘められた過去とは?いよいよ緊迫度を増すシリーズ第3弾。」

精霊、闇に続く夢の守り人です。

あとがきにあった、「眠って見る夢と、憧れとして追い求めるものを、なぜ人は、同じ言葉で表現してきたのでしょうね。」の問いは、自分でも常々抱いていたものでした。

それに対し「日々の暮らしをこつこつと営んでいく人という生き物が、いま生きている現実ではない何かを、心の中で思い描く、それこそが『夢』で、それは遥か彼方にあるものだからこそ輝いて見える。目覚めたら消えてしまうものである『夢』は、それを表現するには、ぴったりの言葉だったのではないでしょうか」と語られています。

英語の「dream」にも日本語の「夢」と同じ意味が含まれています。

人間の共通概念なのかも知れません。

動物に「将来の夢は?」と聞いてみたい気もしますが、多分、「今」が全てであり、彼らにとっては眠って見るものに限定されているのでしょうね。

今回は「夢」をテーマにしたファンタジー。

ファンタジー自体が「夢」の世界であり、今回も別世界へ導かれました。(院長)

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読書 247 都市と野生の思考 著者 鷲田 清一 山極 寿一

2017年09月19日 6:51 AM

IMG02462哲学者で京都市立芸大学長の 鷲田清一と、ゴリラ研究の世界的権威で京都大学総長の 山極寿一の対談。

鷲田清一は「歯」をテーマにした話を結構書いており、何冊か読んだことがありました。

山極寿一に関しては、過去に一時期サルの世界にハマったことがあり、その時に名前を知りました。

この二人の対談ということでとても興味を持って読んだのですが、結果として期待以上の内容で大満足。

哲学を通して見える人間の性、霊長類の原点に遡って類推する現代のヒト。

老いと成熟、家・家族、アート、自由、ファッション、食、教養とテーマは多岐に渡りますが、一環して流れている太い幹から派生した思考であることがわかります。

「欲望と怒りのコントロール」が生きていく上で大切であると、常々考えていたのですが、文化は欲望から生まれているという言葉を目にし、頭の中の再構築を迫られています。

生き物の中での人間の立ち位置が見えてきました。(院長)

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読書 246 流れる星は生きている 著者 藤原 てい

2017年09月16日 9:37 AM

IMG02460「昭和20年8月9日、ソ連参戦の夜、満州新京の観象台官舎。夫と引き裂かれた妻と愛児3人の、言語に絶する脱出行がここから始まった。敗戦下の悲運に耐えて行き抜いた一人の女性の、苦難と愛情の厳粛な記録。戦後空前の大ベストセラーとなり、夫・新田次郎氏に作家として立つことを決心させた、壮絶なノンフィクション。」

最近、ノンフィクションを読む機会が増えていますが、この本は今までのものとは違った空気を感じました。

壮絶ではあるが、悲壮感が強くない。

実際に体験した事実そのものが本人の言葉で書かれていることが大きいのかも知れません。

他の人のフィルターを通していない分、ストレートに伝わってきます。

物事を相対的に捉えて判断することがありますが、このお話は比較するものはなく、絶対を越えた超絶の世界が描かれています。

20代で生死を分ける体験をしながら、98歳まで生きた作者。

「生きる」ということを体現した人生。

頭の中が痺れています。(院長)

 

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読書 245 真剣師 著者 団 鬼六

2017年09月14日 7:27 AM

IMG02456「就いた職業は無数、人妻との駆け落ちは三回。寸借詐欺騒動を起こし、新聞沙汰にもなった。逃亡と放浪を繰り返したが、将棋だけには破格の才能を持っていた男・小池重明。プロ棋士を次々となぎ倒し、新宿の殺し屋と呼ばれた伝説の将棋ギャンブラーが、闇の世界で繰り広げられた戦いと破滅の軌跡を描く傑作長編。話題のベストセラー待望の文庫化。」

1995年に発表された作品。

14歳の天才、藤井四段による将棋ブームに乗り、新聞で紹介されていたので、早速購入。

著者の名前を見て、どんな内容なのか考えてしまいましたが、この手の本を読むと、いつも「才能って何だろう?」と思います。

音楽や美術の世界でも、社会的には破綻しているが、とてつもない感動を呼ぶ作品を発表している人物がいます。

何が私たちの琴線に触れるのでしょうか。

何となく分かるような気もしますが、なかなか結論が出ません。

「感性」の一言では片付けられない何かがあるんでしょう。

そこを、解説で大沢在昌氏がとても的確に表現しています。

「世の中には、自分にその方面の才能があるとはまったく知らず、まるで畑ちがいの分野で、さほどの業績を上げることこともなく人生を終えている人が実はたくさんいるのではないか。いつも頭の片隅にある疑問であった。それが、本書を読んで大きく吹っ切れた。ひとつの方面に、並外れた才能を持つ人間は、結局は本人の意思とはかかわりなく、その世界で頭角を現していくことになる。しかも、それは本人の幸、不幸とはまるで別次元である、とつくづく知らされたからだ。小池重明という人は、たぶん自分の生き方を『壮絶』ととらえたことはなかったのではないか。『壮絶』にしたのは、この人の才能を知り、その行く末を見届けたいと願った周囲の人々ではなかったか。」

ベーシストのジャコ・パストリアス、クライマーの森田勝に同じ臭いを感じます。

44年の生涯で残したもの、あるいは残ったものの軌跡を辿る、周囲の人々の中の一人として感慨深いものを感じています。(院長)

 

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読書 244 闇の守り人 著者 上橋 菜穂子

2017年09月11日 9:13 AM

IMG02455「女用心棒バルサは、25年ぶりに生まれ故郷に戻ってきた。おのれの人生のすべてを捨てて自分を守り育ててくれた、養父ジグロの汚名をそそぐために。短槍に刻まれた模様を頼りに、雪の峰々の底に広がる洞窟を抜けていく彼女を出迎えたのは・・・。バルサの故郷は、山国の底に潜んでいた闇を目覚めさせる。壮大なスケールで語られる魂の物語。読む者の心を深く揺さぶるシリーズ第2弾。」

精霊の守り人に続くシリーズ。

生まれ故郷で待ち受けるものと対峙し、用心棒としてではなく自分のために戦うバルサ。

陰謀を暴くために戦うことになる相手は・・・。

自分がバルサになったような気持ちで緊張感を持ち読み続けました。

ストーリーはさらに第3弾へと引き継がれます。(院長)

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読書 243 豆の上で眠る 著者 湊 かなえ

2017年09月08日 6:36 AM

IMG02453「小学校一年生の時、結衣子の二歳上の姉・万佑子が失踪した。スーパーに残された帽子、不審な白い車の目撃証言、そして変質者の噂。必死に捜す結衣子たちの前に、二年後、姉を名乗る見知らぬ少女が帰ってきた。喜ぶ家族の中で、しかし自分だけが、大学生になった今も微かな違和感を抱き続けている。お姉ちゃん、あなたは本物なの?辿り着いた真実に足元から頽れる衝撃の姉妹ミステリー。」

湊かなえ作品を初めて読みました。

失踪事件による家族の動揺、事件解決のための人目を気にしない母の大胆な行動。

二年後に戻ってきた姉。

しかし、あれほど待ち望んでいた姉と対面しても、違和感が消えない。

何かが違う。

家族の動きにも、どうも納得がいかないものを感じる。

いったい、どこからこの感情が生まれてくるのだろう・・・。

アンデルセンの童話「えんどうまめの上にねたおひめさま」がキーポイントになっています。

家族、親子、自分・・・など、これらの言葉は何を表現しているのかを考えさせられてしまいました。

結論が出たような出ていないような。

最後の最後までミステリーでした。(院長)

 

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読書 242 イチローイズム 著者 石田 雄太

2017年09月05日 7:00 AM

IMG02443「樹立される数多くの記録、度肝を抜くスーパープレーで日米の野球ファンを魅了するイチロー。メディアの前では多くを語ることのなかった彼が、激闘の軌跡からプライベートまでを語り尽くす。徹底した密着取材で、孤高のプレーヤーの素顔と本音に迫るノンフィクション。」

2008年に出版された本。

2002年に行われたインタビューがまとめられています。

イチローの本は何冊か読んでいますが、この本は、今までのものとは違ったカラーを感じます。

著者が40回に渡ってアメリカで行ったインタビュー。

イチローの素顔、本音が見えてきます。

野球のことはもちろん、プライベートに関しても語られています。

才能もありますが、再現出来るための努力は並大抵のことではないことがよーく分かります。

これが出来るから、イチローでいられるんですね。

この時点でプレーを続けている40歳になった自分を描いていますが、現在、選手として現役で記録を伸ばしながら活躍していることを考えると、その凄さにあらためて驚かされます。

読書も242冊目になりましたが、この数字「あれ?」と思いよくよく考えてみたら、2001年にイチローが記録したシーズンの安打数じゃありませんか。

狙ったわけではありません。

何という偶然。

イチローからのちょっとしたプレゼントかも・・・。(院長)

 

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読書 241 神様の御用人7 著者 浅葉 なつ

2017年09月04日 10:05 AM

IMG02441待ってました。

シリーズ第7弾。

「朝を迎えるごとに記憶を失ってしまう月読命(つくよみのみこと)。

彼の御用は、こんな自分を支えてくれる実弟・須佐之男命(すさのおのみこと)への贈り物を探してほしいというものだった。いつも通り行動を起こす良彦だったが、それはやがて予期せぬ方向へと一同を導くことになり・・・。一方、穂乃香はとある女子生徒と「月」をきっかけに距離を縮め、次第に彼女の心に寄り添っていく。記紀に伝えられることなく葬られた神々の秘密が今、月光に晒される。」

相変わらず「くろのくろ」さんのイラストが、表紙を美しく飾っています。

出版されると「あっ、神様の御用人だ。」と一目でわかる。

すごい。

今回は長編小説。

神の世界でも力関係によるせめぎ合いがあり、そこに巻き込まれたことにより生まれた悲哀、絶望、葛藤が月読命を襲う。

この状況で兄を支える実弟・須佐之男命の計り知れない愛が描かれています。

竹取物語も関わり、遠い昔と現代を結びつける美しいストーリー。

「神と人は支え合うもの」。

ポイントですね。

神様との関わり方を教わりました。(院長)

 

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