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読書 108 残り全部バケーション 著者 伊坂 幸太郎
2015年12月22日 1:30 PM
大学の同窓生でもある伊坂幸太郎作品です。
「ゴールデンスランバー」など、仙台を舞台にしたものが多く以前にも何冊か読んでいますが、今回も最初からストーリーの中にどっぷりと引き込まれてしまいました。
当たり屋などで生計を立てるコンビが、経験を積むに従って相手がつらそうにしているのを見るのがあまり楽しくなくなり、「相手の弱みを突いたり、ミスにつけ込んだりするんじゃなくて、相手を喜ばせて、貸しをつくる」ことを考え始める。
「 北風と太陽」のように、発想の転換でお互いが幸せになる方法を模索する。
裏稼業をテーマにしていますが、実はとても心温まる世界が展開されています。
先も全く読めず、最後の最後まで楽しみました。
一人の人物を軸に顔を会わせたこともないような人同士がどこかで繋がっている。
そこから、それぞれのストーリーが生まれ、派生していく。
こうして考えると、「赤の他人というのは存在しないのかも?」と思ってしまいます。
単に関係が浅いか深いかの違いだけのような・・・。
とても面白いのに、とても考えさせられる、そんなお話でした。
除夜の鐘同様、煩悩を消す108冊目にふさわしい本でした。
余韻を楽しんでいます。
表紙も、盆栽にフィギアを配置し独自の世界を作る「まん盆栽」の様なデザインで、なかなかです。(院長)
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