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読書154 昭和芸人七人の最後 著者 笹山敬輔
2016年07月19日 1:49 PM
昭和の時代に活躍した芸人の晩年について書かれた傑作列伝。
榎本健一(エノケン)、古川ロッパ、横山エンタツ、石田一松、清水金一、柳家金語楼、トニー谷の7人です。
エノケン、 ロッパは名前だけは知っていました。
横山エンタツはエンタツ アチャコでこちらも名前だけ、 石田一松、清水金一は残念ながら知りませんでした。
柳家金語楼、トニー谷は、リアルタイムで見ていました。
「ジェスチャー」は好きでしたね。
家族や同級生たちと、よくまねをして遊んでいました。
トニー谷については、そろばんを持って踊ったり、拍子木のようなものをもって「あなたのお名前なんてーの?」とやっていた印象が強烈に残っています。
ちなみにトニー谷は、赤塚不二夫のマンガに出てくるキャラクター「イヤミ」のモデルにもなっています。
なんとなくわかりますね。
喜劇俳優、コメディアンなど、呼び方はいろいろありますが、この本では「お笑い芸人」という表現を使っています。
人々を笑いの渦に巻き込み、時代のトップを走っていた7人。
生涯、笑いに囲まれて過ごしていたのかと思っていたのですが、現実は、悲哀の晩年を送っていたようです。
年と共に体が思うように動かなくなり、舞台の上で動き回れなくなると、お笑いを求める観客の気持ちは一気に離れていく。
お笑い芸人の宿命なのでしょうか。
「同情されるようになったら、お笑い芸人はおしまいだ」という言葉からも分かるように、かなりシビアな現実の中、最後まで笑いの世界にこだわっていた人たち。
戦前、戦後という激動のなかで日本に元気をもたらしてくれました。
伊東四朗のインタビューも最後に掲載されており、表からは見えない苦悩も垣間見えてきます。
ちょっと切ない気持ちもありますが、大人から子どもまで幅広く愛されたという事実は変わりません。
人生の波を、どう受け止めていくか。
考えさせられます。(院長)
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