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読書 317 蜜蜂と遠雷(上) 著者 恩田 陸
2019年10月23日 12:52 PM
「近年、その覇者が音楽界の寵児となる芳ヶ江国際ピアノコンクール。自宅に楽器を持たない少年・風間塵16歳。かつて天才少女としてデビューしながら突然の母の死以来、弾けなくなった栄伝亜夜20歳。楽器店勤務のサラリーマン・高島明石28歳。完璧な技術と音楽性の優勝候補マサル19歳。天才たちによる、コンペティションという名の自らとの闘い。その火蓋が切られた。」
最近、クラシック音楽が関わる小説は、積極的に読むようにしています。
この本は、ずっと以前から書店で平積みになっていたので、気にはなっていたのですが“いつでも読めるな”と思い手に取らずにいました。
ピアノコンクールについて描かれたストーリーであることを最近知り、読み始めました。
プロローグとして、4人のピアニストそれぞれが一つのコンクールのスタートラインに立つまでの描写が最初にあります。
(上)では、1次予選までまでですが、既に、各自の個性が音を通して描写され、実際にコンクール会場にいるような緊迫感を味わいながら読み進めました。
クラシック音楽の頂点に立つという事は、並外れた才能と努力と、もう一つ“運”が必要であることが分かります。
実際に体験した人にしか理解できない感覚だと思いますが、疑似体験として入り込めるストーリーは見事です。
これから2次予選、3次予選と進んでいくわけですが、どんなドラマが待っているのでしょう。
ここまでのレベルになると、もう、精神的には体育会系と変わらない、あるいは、場合によってはそれ以上でしょう。
選ばれた者にのみ与えられた、特権と重圧。
下巻に続きます(院長)。
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