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読書 306 ヒトでなし 金剛界の章 著者 京極 夏彦
2019年07月01日 8:16 AM
「“死にたいんです”“なら死ねよ”。娘を亡くし、妻だった人に去られ、十五年勤めた会社を解雇された。すべてを失い彷徨していた尾田慎吾は、雨の夜、自殺を図る見知らぬ女にそう告げた。同日、旧友荻野と再会する。彼は、情、欲望、執着を持たぬ慎吾を見込んで、宗教を仕事にしないかと持ちかける。謎めいた荒れ寺に集いし破綻者たち。仏も神も人間ではない。超・宗教エンタテインメント。」
“ヒトでなし”、何なんだ、このタイトルは!
で、超・宗教エンタテインメントとなると、ますます分からなくなってくる。
ということで、逆に興味がそそられ、774ページという厚さには目をつぶって読んでみました。
結果的に一気読みでした。
京極夏彦作品は、以前「おじいさん」というのを読んだことがありましたが、今回は全くの別世界でした。
今までの既成概念が通用しないような、でも宗教というものの本来の姿を表現しているような、読んだ後でも何か心が揺さぶられているような感じです。
“自分”っていったい何だろう?何を守って生きているんだろう?
結局、分かった気になっていただけなのかもしれないな、と少し考えています。
分かっていなかったことが分かっただけでも良しとしましょう。
理解するとかしないとか、そういった次元を超えた世界でした。
侮れない作品です(院長)。
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