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読書 377 新釈 遠野物語 著者 井上 ひさし
2020年12月25日 9:32 AM
東京の或る交響楽団の主席トランペット奏者だったという犬伏太吉老人は、現在、岩手県は遠野山中の岩屋に住まっており、入学したばかりの大学を休学して、遠野近在の国立療養所でアルバイトをしている“ぼく”に、腹の皮がよじれるほど奇天烈な話を語ってきかせた・・・。“遠野”に限りない愛着を寄せる鬼才が、柳田国男の名著『遠野物語』の世界に挑戦する、現代の怪異譚9話。
仙台在住の頃、遠野へ旅行したことがありました。
盛岡経由で訪れ、酸ヶ湯温泉にも泊まり、とても思い出に残る旅でした。
遠野では、河童ぶちに行ったり、民話を聞かせてもらったり、時間の流れがゆったりするような、あるいは、過去へフィードバックするような、今考えると不思議な感覚でした。
思い込みによるものなのか、小説に出てくるように、狐に騙されていたのか、定かではありません。
東北地方(山形)出身の作者ならではの感性で、物語は語られています。
過去に、ひとが自然の一部として生活していた頃の、もしかすると実話なのでは?という思いが湧き上がっています。
語り継がれた民話を著者の感性で表現された、新たな遠野物語。
最終章では、大どんでん返しあり。
舞台を見ているような小説でした(院長)。
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