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読書 379 太陽のかけら 著者 大石 明弘
2021年01月20日 2:24 PM
「大学に行って仕事に就くってことがフツーの人生なんじゃないんだよ。そんなの甘い!と思う。一直線に川の流れを下っていくよりも、くねくねと、あっちこっちに曲がりながら進んでいく方が面白い。失敗するかもしれない。挫折するかもしれない。だけど、私は、そういう生き方のほうがいい。」
女性で唯一のピオレドール(金のピッケル賞)クライマー、谷口けいの物語です。
全然知らなかったのですが、新聞の書籍紹介欄にあり、読んでみました。
小中学校時代には、あまり目立たない存在だったが、高校時代にアメリカへ1年間留学し、帰国してから、突然、家を出て自活。
働きながら勉強し大学へ入学。
もちろん、仕送りなし。
大学時代は、サイクリングクラブで活動。
卒業し就職するが、アドベンチャーレースや登山に明け暮れ、3年で会社をやめる。
それからは、エベレストを含め、世界で様々なルートを開拓しながら世界の山々に挑む。
この計り知れないエネルギーは、どこから来たのだろう。
40歳を過ぎたら、これからの人たちを育てることも考ることを考えていた矢先、北海道大雪山系黒岳で滑落。
43歳の人生を終える。
帯タイトルに書かれていた、本文の抜粋のことばは、通常耳にするとあまり響かないが、彼女が言うと非常に説得力があり考えさせられてしまう。
なぜか。
それは、言葉にしていること、あるいは、それを大きく超えたレベルで自分自身行動し、体現していたから。
自由になるための責任と覚悟がひしひしと伝わってきました。
関わった人すべてから愛される存在。
厳しさの中に秘めた優しさ、包容力。
写真に写っている笑顔が勇気づけてくれます。
この本に出合えてよかった。
著者も同じ山ヤで、作家じゃないのに、仕事をしながら一つの素晴らしい本として書き上げています。
みんな、けいちゃんが導いてくれているんでしょう。
感動的な本でした(院長)。
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