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読書 385 削り屋 著者 上野 歩
2021年05月01日 9:08 AM
「歯学生だった剣拳磨は、親の敷いたレールに逆らって大学を中退し、東京にやってきた。そして、歯学部実習での「削り」つながりで、飛び込みで下町の金属加工会社に就職する。削りには自信の合った拳磨だったが、大学でやってきたことが全く通用しなかった。しかし夢中で取り組む内、手作業による削りの仕事が自分に打ち込める世界だと気づく。
やがて、社長に技能五輪全国大会を目指すように言われた拳磨。そこに、中学の頃から立ちはだかってきた神無月グループの御曹司・神無月純也が現れた。自分の会社から多くの選手を出場させた神無月。拳磨は、頂点に立てるのか。」
本を検索していたら、突然目に飛び込んで来た表紙。
歯学生が中退し、金属加工会社へ就職するという紹介がどうも気になり読んでみました。
歯科医院の三代目として生まれ、当然のように歯科医師になる環境にあったが、友人を助けるために、歯科大を中退する。
東京に出てきて、削りつながりで金属加工会社での人生がスタートする。
思っていた以上に、奥が深い事を知りのめり込んでいく。
会社、幼馴染、プライベートなどで関わっていく様々な人間関係の中で、自分を見つめていく。
主人公の心理の変化と成長が伝わってきます。
自分のために追及していたことが、本来は人の幸せのためであることに気が付く。
信じた事に向かって突き進むエネルギーの大切さを教えられました。
2015年に出版された本ですが、2011年の東日本大震災における福島についても描かれています。
届いたその日に読み終える、一気読みでした(院長)。
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