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読書 409 ポストコロナの生命哲学 著者 福岡伸一 伊藤亜紗 藤原辰史
2021年11月18日 7:25 AM
「科学は、ロゴス(論理)の輝かしい勝利である。その中でも、分子生物学がこれほどまでに科学の王座を勝ち得たのは、遺伝子がとてもロゴスに見えたからだ。遺伝子はデジタル信号の配列で、それを書き換えれば、アルゴリズムが変更され、結果も変わる。生命の本質は情報である。ロゴスはそう高らかに宣言した。
本書の議論の中心命題もそこにある。生命を情報と見過ぎたこと、ロゴス化し過ぎたことが、いったい何をもたらしたか。
今、切実に求められるのは、この反省の上にたった、ポストコロナの生命哲学である。」
福岡ハカセが書かれている本は、今まで何冊も読んでいますが、今回は、ポストコロナをテーマにした対談を含めた共著でした。
ビュシス(自然)とロゴス(論理)の対比で、コロナが投げかけた問いについて考察されています。
パンデミックを引き起こしたコロナウイルス。
このウイルスの暴走を引き起こした要因として、現代人の自然との接し方について言及されています。
本来であれば共存すべき存在が、ある日突然、世界的な感染症の猛威を振るう。
それに対し、撲滅を目指してウイルスと戦う。
現状を収めることはとても大切なことですが、もっと根本的にやらなければいけないことがあるようです。
そうしないと同じようなことが、姿、形を変えて、再度襲ってくるのでしょう。
「風の谷のナウシカ」の漫画本(全7巻)をテーマにした対談もあります。
読んだことがなかったので、早速注文しました。
戦うのではなく、共存する術を見出すには、これから何をすればよいのか。
大きな流れを変えることはすごく難しいことですが、せめて、一人ひとりの意識を少しづつ変えていくことは大切でしょう。“利他心”、宮沢賢治が言っている“わたくしといふ現象”、そして“ビュシス(自然)の歌を聴け”をキーワードに考えていこうと思っています。
相変わらず「動的平衡」に基づいた、深みのあるお話でした(院長)。
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