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読書 436 私の脳で起こったこと 著者 樋口 直美
2022年05月30日 3:44 PM
「若年性レビー小体型認知症」本人による、世界初となる自己観察と思索の記録。認知症、脳の病気とは一体何なのかを根本から問い、人間とは何か、生きるとはどういうことかを考えさせる。周りに理解されないための孤独と絶望の間にありながら、幻覚(幻視、幻聴など)、臭覚障害、自律神経症状など、自分に起きたことを日記形式で淡々と観察し、卓越した文章力で表現した希望の書。」
「利他」の本で著者のことが紹介されていたために読んでみました。
読み進めるうちに、どうもこれは、他の認知症とは違うなという思いが沸き上がっていました。
疾患を診断する場合に、どのカテゴリーに当てはまるのかを見ていくことは一般的に行われていると思います。
それにより、当てはまる治療法を選択していくわけですが、レビー小体型認知症については、この「認知症」という分類に入れることにより、状況を複雑にしているように思いながら読んでいたら、やはり、著者自身も同じ思いがあったようです。
様々な心の変遷の中、折れそうになる気持ちを持ちこたえて辿り着いたところは、自分自身を受け入れること。
その過程では、体験した人にしかわからない苦悩と喜びが存在していたと思います。
日記という形式で、時系列での変化をもとにした内容になっており、とても説得力があります。
疾患には、一人ひとり、それぞれの度合い、思いがあるでしょう。
分類するということは、方向性を決めるうえでは有用ですが、あまりとらわれないで見ていくことが大切であることを教わりました(院長)。
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