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読書400 へたも絵のうち 著者 熊谷 守一
2021年09月26日 10:24 AM
「朝起きて奥さんと碁を打ち昼寝して絵を描いて寝る。こんな日課がもう何十年も続く。その絵が“天狗の落とし札”と呼ばれた。超俗の画家から紡ぎ出された思い出の数々。やわらかさのなかに鋭く光る、物の核心を見つめる確かな眼差し。」
1900年(明治時代)、東京美術学校(現 東京藝術大学)西洋画科に入る。
在学中、父が亡くなり、卒業後は、樺太調査団の絵描きの仕事に就く。
戻ってきてからは、故郷へ戻り伐採した木材を川に入れて、筏の組める水量のあるところまで運ぶ“ヒヨウ”の仕事を始め山中生活を送る。
6年後、東京へ戻り、日本画も描き始め展覧会へ出展するなど、
画家としての活動を再開する。
97年という人生の中で、様々な体験をしながら自然体で生き、シンプルではあるが、一度目にすると目が離せなくなる絵を描き続けた生涯。
毎日を慌ただしく生きていると忘れてしまっている時空の流れを呼び覚まされるような生き方です。
この本を読み、掲載された絵を見ている間は、全く別の世界へ連れて行ってもらえました。
波乱万丈の人生を、さりげなく表現する。
他の人には出来ることではありません。
「生きるって、こういうことなのかな」と思わされる一冊でした(院長)。
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