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読者 374 父と暮らせば 著者 井上 ひさし
2020年12月11日 3:07 PM
「うちはしあわせになってはいけんのじゃ」愛する者たちを原爆で失った美津江は、一人だけ生き残った負い目から、恋のときめきからも身を引こうとする。そんな娘を思いやるあまり「恋の応援団長」をかってでて励ます父・竹蔵は、実はもはやこの世の人ではない。「わしの分まで生きてちょんだいよォー」父の願いが、ついに底なしの絶望から娘をよみがえらせる、魂の再生の物語。
舞台は昭和23年の広島。
原爆投下後の親子の物語。
劇場公演のために書かれ、実際に、日本だけではなく、フランスなどの海外でも上演されたようです。
被ばくし、将来、周囲の事を考え、結婚しないと決めた自分と意中の人を慕う自分との心のせめぎ合い。
応援する父。
美しくも切ない恋の物語。
翻訳により、広島の方言で書かれたセリフの面白さが消えてしまったにも関わらず、海外でも、かなりの好評を得たようです。
とても考えさせられるお話でした。
著者はナガサキについても書く予定だったようですが、思いは叶いませんでした。
亡くなったのが2010年。
2011年の震災時に存命だったら、どのような言葉を発してくれたのでしょう。
聞けないのが残念です
表紙は和田 誠さんのデザインでした(院長)。
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