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店長がいっぱい 山本幸久

2015年01月30日 6:50 PM

院長にならって読書感想文を一つ。店長がいっぱい

この本、雑誌の書評欄をみてどうしても読みたくなって手に入れました。

豚と卵の他人丼のチェーン店 友々家

店長7人の奮闘記です。

つまり7つの短編が1冊になっています。

「それぞれに悩みながら挫折を乗り越えて

とにかく働き続けます、がむしゃらに。」

 

第1篇の舞台が八王子北口店。

店長が修行中に日野店で働いていたり

放射線通りなどという単語が出現したりするので

作者はこの辺で過ごしたことがある人だと直感しました。

調べましたらやはり八王子市出身、中央大学卒

いの一に取り上げるわけです。

 

伊坂幸太郎さんという作家は

千葉出身なのですが大学が仙台で

自分と同じく仙台で学生時代を過ごしています。

彼の作品は大体仙台市内が舞台になっていて

地理的な細かい描写にいちいちうなずけるのが楽しみです。

その感覚をまた山本幸久さんから味わいました。

 

八王子北口店では元エリートサラリーマンが家業を継いで潰して

借金返済してカツカツでも生活していくために

友々家店長として身を粉にして頑張っています。

 

頑張れば少しずつ報われていく

“幸”のつく作家さんですが大げさなHappy Endは訪れません。

それでもホッコリ温かい気持ちになって読み終われる話が並んでいます。

一編一編でも単独で読み切りになりますが

全編通すと結局一つのまとまりになっているところも秀逸です。

(副院長)

   

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