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読書 118 ムーンナイト・ダイバー 著者 天童 荒太
2016年01月24日 12:53 PM
「なぜ潜る。聖域かもしれないのに、禁を侵せば、罰せられるかもしれないのに。」
「だからこそ潜るのだ。誰も潜らないから、誰かが潜らなければいけないのだと信じる。」
帯タイトルの言葉です。
3・11から五年目となるフクシマで、非合法のダイバーが人と町をさらった立入禁止の海に潜降する物語。
東日本大震災で津波の被害を受けたにも関わらず、福島第一原発事故により立ち入りが制限された「帰還困難区域」。
陸からの捜索が出来ずに月日が流れる中、規制の緩い海からのアプローチを考え、ダイバーに依頼します。
このダイバーも身内を津波で失っています。
監視の目が行き届かない夜に、月明かりを頼りに捜索する。
海底から掘り出される品々。
些細な物でも、とても大きな意味を持つ物を引き上げる。
被災に対して「なぜ自分が?」という疑問を抱いている人たちの答えを捜すために行動する。
様々な思いが交錯します。
物を取り戻すというよりも、心にけじめをつけるための作業。
決して振り返るためだけのものではありません。
”次への一歩”のためにはとても大切な事です。
そこから、これから守っていくものへ注ぐ愛情が生まれてくるような気がします。
大きな悲しみを乗り越えた人に出来ること。
教えられました。(院長)
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