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読書 173 世界の終わりとハードボイルドワンダーランド 著者 村上 春樹
2016年09月30日 7:08 AM
再読です。
かれこれ10年以上も前にこの本を読んで、気持ちを曲にしたことがありました。
雪が降り積もる夜に作ったため、冬の空気が漂った音になりました。
村上春樹の著書の中で、最も好きな作品です。
「世界の終わり」と「ハードボイルドワンダーランド」という2つのストーリーが平行して進み物語が展開していきます。
別々のお話に共通点が生まれ境界がぼやけていき、一つの結論に近づいていく。
私の記憶力の弱さもありますが、新たに静かな響きを感じながら読み進める事が出来ました。
この十数年の間に自分も変化したのかも知れません。
いつまでも色あせない村上春樹作品の凄さを体感。
読み終えてから、登場人物全員に名前がないことに気がつきました。
これが、ますます現実と幻想の世界の境界を曖昧にしている要因のように思えます。
心の内面を深く掘り下げたストーリー。
先日読んだ「記憶屋」とはまた別の視点で記憶というものについて表現されています。
「喪失感」という空気が随所に漂い、別世界に誘ってくれます。
クライマックスに近づくと動的平衡と解釈出来るような部分もあり、様々な問題提起を感じます。
もう一度読むと、また別の世界が見えてくるかも。
再読の面白さを反芻しています。(院長)
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