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読書 212 潮の音、空の青、海の詩 著者 熊谷 達也

2017年04月27日 8:41 AM

IMG02208以前読んだ、「微睡の海」の続編です。

2011年3月10日までで終わっていたストーリーを引き継いで、翌日の3月11日から物語はスタートします。

舞台は仙台。

突然襲ってきた巨大な揺れ。

状況を把握できない中で、目の前の対応に奔走する主人公。

第一部は、東日本大震災の現実がリアルに描かれています。

作者も仙台在住で実際に体験しているため、心の中で溜まりに溜まった思いをぶつけたのかも知れません。

第二部では、突然時代は2060年に飛びます。

震災後に増強された防波堤を巡り、ドラマは展開されます。

自然を相手に人間が行う事の是非が問われています。

力を力でねじ伏せるのではなく、共生することの大切さを伝えたかったのでしょう。

第三部では、やっと「微睡の海」から引き継いだ話になります。

この作品は、震災後の作者の思い、迷い、憂いなど、全てのものが表現されており、小説としてというよりも、ドキュメンタリーとして読んだ方が分かりやすいかも知れません。

あの頃のことが蘇りました。(院長)  

   

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