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読書 261 ある少女に起こった出来事 著者 ハリエット・アン・ジェイコブス
2018年02月17日 10:44 AM
「好色な医師フリントの奴隷となった美少女リンダ。卑劣な虐待に苦しむ彼女は決意した。自由を掴むため、他の白人男性の子を身籠ることを。
奴隷制の真実を知的な文章で綴った本書は、小説として誤解され一度は忘れ去られる。しかし126年後、実話と証明されるやいなや米国でベストセラーに。人間の残虐性に不屈の精神で抗い続け、現代を遥かに凌ぐ”格差”の闇を打ち破った究極の魂の物語。」
先日、DOCOMOの手続きで30分待ちになり、手元に本がなかったため書店に飛び込み購入したものです。
奴隷制についてはそれなりに知っていたつもりでしたが、現実は思っていたものとはかけ離れた世界でした。
家畜と同様に扱われ、所有物として売買される。
奴隷は代々奴隷として扱われる。
気に入らないことがあると拷問にかけられる。
時には命を奪われることがある。
それでも犯罪にはならない。
そんな中、一筋の希望を見出し虐待に耐えながらも自由を求め歩んでいくリンダ。
法のもとに正当化されていることが、必ずしも善ではないことがよく分かります。
訳者は、世界大手のコンサルティング会社に勤務する女性。
翻訳が本業ではありません。
でも、心の中にゆっくりと染み込んでくる文章表現がされています。
解説でも、「本書の訳は実に見事だ。英語から正確に翻訳しているというだけでなく、リンダの心象風景が読者にリアルに伝わる。」と評されています。
新幹線の中で読むものがなく、突然出会った本に驚きを感じながら、翻訳することが自分の使命として取り組んだもの。
今回の自分と状況が似ています。
巡り合いですね。(院長)
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