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読書 49 知ろうとすること 著者 早野 龍五 糸井 重里
2015年01月14日 7:01 AM
福島第一原発事故後のことについての二人の対談がまとめられています。
事故直後からこのような動きがあったとは知りませんでした。
「文科系とか理科系を超えて。原発事故後の放射線の影響について、いま、確かに語れること。そして、未来のための、こころのありよう。」
と帯タイトルにありました。
早野 龍五氏は物理学者で、東京大学大学院理学系研究科教授。
世界最大の加速器を擁するスイスのCEREN(欧州合同原子核研究機関)を拠点に、反陽子ヘリウム原子と反水素原子の研究を行う一方で、2011(平成23)年3月以来、福島第一原子力発電所事故に関して、Twitterから現状分析と情報発信を行って来た人です。
事故後、関連した様々な本が出版され、だいぶ読みましたが、その中で、一番しっくりくることが語られていると感じました。
これからの人たちの将来を見据えた行動、見解、たたずまい。
事実を事実として明確に受け止めた上で、やるべきことを見極め実行する。
自分の存在感を表に出さず、自分の経験を通した考察を人々に伝えていく姿勢には感動しました。
福島高校の生徒3人をフランスで開催されるワークショップに連れて行き、内部被爆と外部被爆の調査結果を英語でのプレゼンテーション、質疑応答をこなすところまで導いています。
「これは、福島に限った話ではないんですが、今の高校生たちが将来に対してどこに希望を持って生きるか、というのはなかなか難しい問題だと思うんです。そう言う意味では、どちらかというと閉塞的な日本の社会で育って来た若者たちにとって、同世代の外国の若者たちがどういうつもりで生きているのか、というリアルな姿に触れることは、ものすごく刺激になる。ぼくが「教えてあげる」というのではなく、そういう環境を提供していけたら、と思っているんです。今回の事故で「社会に巣立って行く人たちにとって科学的なリテラテシーがいかに必要であるか」ということが、よくわかりました。科学的なリテラテシーというのは、教わって得られるものじゃなくて、自分で鍛えて身につけていくものだと思ってます。今の福島には、科学的なデーターや事象など、たくさんの教材があります。さらに高校生たちは、それらを自分のこと、あるいは自分の家族のこととして、真剣に考えることができる環境にあります。その環境を十分に活かして考える力を発揮してもらえるといいな、ということを思っています。」
という言葉があります。
早野 龍五氏の気持ちが表れています。
今回も糸井 重里氏が関わった対談でしたが、とても的確な質問、意見に驚かされました。
以前、福岡ハカセ(福岡 伸一)の「せいめいのはなし」にも、文科系、理科系という枠を取り払って考えて行く事の大切さが語られていました。
これからの人たちのためにやること、やるべきことをきちんと考えなければいけませんね。
自分に出来る事を探してみます。(院長)
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