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読書 373 馬喰八十八伝 著者 井上 ひさし
2020年12月05日 11:24 AM
「年老いた母を種付け馬・花雲の背中に乗せ、嘘を封じる百ヵ所まいりに出た若者。馬の名産地・桜七牧で、真実を述べたばかりに八十八回叩かれた腹いせに、同じ数の嘘をつき生きることを決意、自ら八十八と名乗る。悪代官に野盗の頭目、一癖も二癖もある相手に、嘘つきの天才八十八が言葉巧みに勝負を仕掛ける。恋あり、オゲレツあり、爆笑必至、痛快な男の出世物語。」
学生の頃に単行本を買っていたのですが、読まずにそのままになっていました。
今回、文庫本になったものを見つけ、再度トライ。
これが、読み始めたら止まらない!。
嘘を武器に江戸時代の権力と闘う。
危機が押し寄せても、巧みな嘘で乗り切る。
最初は自分のためだけにやっていたことが、回を重ねるごとに周りの人間関係の中での行動に変化する。
成長していく姿に引き付けられます。
痛快という言葉は、この小説のためにあると言っても過言ではないでしょう。
馬の言葉がわかる八十八が、馬とコミュニケーションをとりながら旅をする。
男と女の間の駆け引きも、おおらかな江戸時代を背景に、美しくも面白く描かれています。
まさに、嘘も方便。
使い方によって、こんなにも威力を発揮するんですね。
結末は、以前読んだ、東北地方の先住民、蝦夷のアテルイを主人公とした「まほろばの疾風」をちょっと彷彿させ、心に熱いものを感じました(院長)。
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