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読書 375 春になったら苺を摘みに 著者 梨木 香歩

2020年12月15日 3:52 PM

春になったら苺を摘みに「理解はできないが、受け容れる」それがウェスト夫人の生き方だった。「私」が学生時代を過ごした英国の下宿には、女主人ウェストと、さまざまな人種や考え方の住人が暮らしていた。ウェスト夫人の強靭な博愛精神と、時代に左右されない生き方に触れて、「私」は日常を深く生き抜くということを、さらに自分の問いつづける。

物語の生まれる場所から送る、著者初めてのエッセイ。

 

エッセイということですが、ほとんどファンタジーでした。

同じことについても、受け止め方によって全く別の世界になるということがわかりました。

日本語への愛など、穏やかに、しっかりと伝わってきます。

日常の捉え方が私たちとは全然ちがうんですね、

イギリスへ留学していた時に出会った人たちとの交流が舞台になっていますが、人物像、風景が目の前に浮かんできます。

分化、人種の違いによる見えない壁も、受け止めつつ接点を見出していく。

相手を鏡にして自分自身を見つめる。

この本を読みながら、自分という存在も宇宙の一部であるんだなという思いに至りました。

心優しい文体。

包み込まれる世界。

素敵です(院長)。

   

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