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読書33 ジョン・マン 1波濤編 著者 山本 一力
2014年11月22日 7:00 AM
いわゆるジョン万次郎を主人公とした歴史小説です。
「土佐、中ノ浜の漁師、万次郎は14歳になり初めて漁に出るが、嵐に巻き込まれる。大波に翻弄された5人の命運は、クジラを捕るために太平洋上を航行中の捕鯨船の船長ホイットフィールドにかかっていた。船長と万次郎、二人の邂逅が幕末史に影響を与える。」と帯タイトルにあります。
時は1839年、日本では江戸時代の天保10年、アメリカではクジラから取る油(鯨油)が、人間の暮らしを支えており、灯油用の油が一番の使い道だったようです。
捕鯨は大きな利益をもたらすため大西洋で乱獲され個体数が激減したため、太平洋に活路を見出し、ハワイを経由して、日本近海に進出しました。
そこで、万次郎との接点が生まれるのですが、この波濤編では、その直前までのストーリーで終わっています。
今後の展開が楽しみです。
日本における江戸時代の捕鯨では、クジラと漁師は、死闘を繰り返し、漁師が命を落とすこともめずらしくなかったため、命がけで殺生したクジラは血の一滴までも無駄にしないように使い尽くし、そうすることで、クジラの成仏を願っていました。
肉は生食用と塩漬け用に切り分け、骨もヒゲも歯も黒い皮までクジラのすべてが利用されていました。
獲物をとって”もがり”をする日本人の文化が表れていますね。
時代が進み石油が発見され燃料として使われるようになると、鯨油の需要がなくなったアメリカの捕鯨は一気に衰退したようです。
捕鯨に対する考え方の国民性の違いが顕著です。
考えさせられます。
まだまだシリーズは続きます。
今後の展開が楽しみです。(院長)
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