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読書 332 調律師 著者 熊谷 達也
2020年01月07日 7:21 AM
「交通事故で妻を亡くし、自身も大けがを負った結果、音を聴くと香りを感じるという共感覚「嗅聴」を得た鳴瀬玲司は、ピアノの調律師を生業としている。さまざまな問題を抱えたピアノ、あるいはその持ち主と日々接しつつ、いまだに妻を忘れられずにいた鳴瀬だったが、ある日、仕事で仙台に向かうことに・・・。」
この著者が好きで読んでいた時期がありました。
マタギを描いたもの、東北地方の先住民、蝦夷(えみし)のアテルイを主人公に書かれたものなど、感動的な作品が多く、好きな作家の一人です。
その彼が、ピアノの調律師について書いた作品があったことは知りませんでした。
2010年から2012年までに雑誌に掲載されていたものが2013年に単行本として出版されています。
この間に、作者にとっても、日本人全てにとっても大きな出来事がありました。。
2011年の東日本大震災です。
著者も宮城県在住なので、リアルに震災を体験していると思います。
最初は共感覚をもつ調律師というテーマで書かれたものが、震災を境に別の作品へと変化したようです。
確かに、言われてみれば、文章の重さが途中から変わったようにも思われます。
実体験した人にしか表現できない空気が漂っています。
最初に描いていたストーリーとは別の作品になったと思いますが、震災文学として一つの位置づけを持ったものになっています(院長)。
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