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読書 350 猫を棄てる 父親について語るとき 著者 村上 春樹
2020年05月21日 9:23 AM
「ある夏の日、僕は父親と一緒に猫を海岸に棄てに行った。歴史は過去のものではない。このことはいつか書かなくてはと、長い間思っていた。」
~時が忘れさせるものがあり、そして時が呼び起こすものがある~
村上春樹氏の家族を題材にしたエッセイです。
以前「ねじまき鳥クロニクル」を読んだ時に、父親の戦争体験の影響が文章に現われている事を感じていましたが、それを裏付けるものが表現されています。
多くを語らなかった父の体験について、心の中で納めておくことが出来なくなってきたのでしょう。
自分自身の存在について考え、世の中の流れの偶然、あるいは必然性について考える。
父親が戦場で命を落としていたら・・・母と出会わなかったら・・・。
現に、今、自分はここにいる。
理由などはない。
世の中に生を受ける原点を考えさせられました。
100ページの、美しいイラストが添えられた本でしたが、心の中に沁み込んでくるものがありました。
彼の作品は、様々な歴史を背景にして生まれていたんですね(院長)。
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