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読書 352 人類史のなかの定住革命 著者 西田 正規
2020年06月15日 7:00 AM
「霊長類が長い進化史を通じて採用してきた遊動生活。不快なものには近寄らない、危険であれば逃げてゆくという基本戦略を、人類は約一万年前に放棄する。ヨーロッパ・西アジアや日本列島で、定住化・社会化はなぜ起きたのか。栽培の結果として定住生活を捉える通説はむしろ逆ではないのか。生態人類学の立場から人類史の「革命」の動機とプロセスを綿密に分析する。」
定住については、縄文時代に、狩猟採取から農耕牧畜へと生活様式が変化したことにより自然発生的におきたことのように認識していました。
でも、この本を読むと、定説となっていたものに疑問を感じるようになってきました。
基本的に考古学は、出土した骨や、生活の痕跡などをもとに類推し、現在の私たちの起源を追及していくもので、確定的な答えというものはありません。
何処に重点を置いて見ていくかによって、また、観る角度によって結果は大きく違ってくると思います。
ロマンを求めて追及している研究者が見出した結果をもとに私たちは今の自分を振り返ったり夢を見たりしているわけです。
時には勇気づけられたり、時には言い訳に使ったり、捉え方は様々ですね。
この本では、環境要因、食料、生きていくための距離感、エネルギーに関する事などをもとに、二足歩行になった我々の祖先の起源について語られています。
植物の分布の変化や、手、足、口などの生き物による役割の違いなど、幅ひろい目線で定住について見つめる。
手が自由になったことによっておこった人類の進化。
この、「進化」という言葉すら、前向きな言葉として単純に捉える事が出来ないような気がしています。
「変化」と言った方が分かりやすいかも知れません。
物事を人間を中心にして考えるのではなく、人類は地球全体のごく一部の存在であるということを忘れてしまうことによって多くの問題が生まれているようですね。
感染症もその一つでしょう。
二足歩行の捉え方についても、今までとはまた違った別の概念が生まれました。
頭を柔軟にして見ていくことは大切ですね。
最後の章では、“人はなぜ戦うのか”ということで締めくくられています。
とても奥の深いお話でした(院長)。
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