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読書 83 天下り酒場 著者 原 宏一

2015年08月08日 7:00 AM

IMG_20150806_124721天下り酒場、資格ファイター、居間の盗聴器、ボランティア降臨、ブラッシング・エクスプレス、ダンボール屋敷の、6つの短編集です。

どれをとっても奇想天外なストーリーなのですが、”もしかすると、あるかも・・・”と思わされてしまう不思議な世界です。

「天下り酒場」は、経営不振の割烹居酒屋『やすべえ』に、もと県庁の役人が天下って経営手腕を発揮するが・・・という話で、最初は”お~!”と思わせるストーリーが展開されますが、突然、思わぬ方向に話が流れ始め、先が読めず、最後まで引っ張られてしまいます。

他も同様で、電車の中で夢中になって読んでしまい、あやうく乗り過ごしそうになってしまいました。

自分たちの職業に関わる話も登場し、フィクションなのに、現実としてあってもおかしくないように思えてしまうような、とても微妙な線をついてくる作品集です。

どこから、こんな発想が出てくるのだろう。

現代日本風刺小説と紹介されていました。

まさに、その通りです。

心の奥底をくすぐられ痒いのに、手が届かない、今はそんな感じです。

まいった。(院長)

 

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読書 82 狭小邸宅 著者 新庄 耕

2015年08月07日 7:00 AM

IMG_20150804_170209”学歴も経験も関係ない。全ての評価はどれだけ家を売ったかだけ。大学を卒業して松尾が入社したのは不動産会社。そこは、きついノルマとプレッシャー、過酷な歩合給、挨拶代わりの暴力が日常の世界だった・・・。物件案内のアポも取れず、当然家なんかちっとも売れない。ついに上司に「辞めてしまえ」と通告される。松尾の葛藤する姿が共感を呼んだ話題の青春小説。”

と背表紙の紹介にありました。

「これが現実なんだろうか?」という思いを胸にドキドキしながら読み進めました。

ノルマが達成出来ないと必要のない存在として扱われ、殴られたり蹴られたり。

それが、いざ、重要物件の契約に成功すると、とたんに周囲の扱い、待遇、見る目が変わり、本人の人格まで変わってしまうという現実。

ん~、こういうものなのでしょうか?

自分の知らない現代社会の厳しさを見せつけられたような感じです。

最後は、主人公はその後どこに向かって進んで行ってしまうのだろうとハラハラさせられたままで終わっています。

自分の概念に無い世界については表現がとても難しい。

もう少し考えてみます。(院長)

 

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読書81 超高速参勤交代 著者 土橋 章広

2015年08月06日 1:30 PM

IMG00960

幕末マラソン侍に続いて同じ著者の本を読みました。

タイトルがいいですね。

陸奥国湯長谷藩(現在の福島県湯本)が参勤交代を命じられるのですが、期日は5日以内。

道のりは六十里(約240キロ)。

叛けばお取り潰し必定。

「時間がない、お金がない、人手がない」のトリプルの難題を抱えながら江戸を目指して一行がスタートします。

知恵を絞ります。

通常は100人以上の大名行列を組むところ、集めたメンバーは8人。

足、そして武道に優れた者を中心に選ばれています。

要所要所で人手を借りて、いかにも大名行列のように見せかけながらも目的地を目指します。

行く手を阻む隠密に手を焼きながらも 道中案内の雲隠段蔵(雇われ忍者)の案内で山の中の獣道をひたすら進んでいきます。

様々な難問をクリアしながら江戸を目指す一行。

途中の宿で藩主が出会った女性と交わす心のやりとりも見逃せません。

参勤交代という、地方の大名の力をコントロールするための中央集権的な制度。

様々な思いが交錯してストーリーはエンディングを迎えます。

スピード感のある物語でした。

映画化もされているようです。

映像でも面白そう。

笑って泣ける時代劇ドラマでした。(院長)

 

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