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読書 362 できそこないの男たち 著者 福岡 伸一

2020年09月10日 8:02 AM

できそこないの男たち「地球が誕生したのが46億年前。そこから最初の生命が発生するまでにおよそ10億年が経過した。そして生命が現れてからさらに10憶年、この間、生物の性は単一で、すべてがメスだった(本文より)。<生命の基本仕様>それは女である。本来、すべての生物はまずメスとして発生する。メスは太くて強い縦糸であり、オスは、そのメスの系譜を時々橋渡しし、細い横糸の役割を果たす“使い走り”に過ぎない。分子生物学が明らかにした、男を男たらしめる秘密の鍵。SRY遺伝子の発見をめぐる、研究者たちの白熱したレースと駆け引きの息吹を伝えながら<女と男>の<本当の関係>に迫る、あざやかな考察。」

 

先日の3歳児健診の時に、隣で健診を行っていた内科の先生の会話が聞こえてきたのですが、すごく面白くて思わず聴き入ってしまいました。

そのお話の中で紹介されていたのがこの本です。

調べてみると、なんと、私の敬愛する福岡ハカセの本でした。

なぜ、男はできそこないなのか。

小説を読んでいるかのようなストーリー展開で、どんどん引き込まれます。

生命体における男の立ち位置、役割が、遺伝子レベルで赤裸々に解明される。

Y染色体、そしてSRY遺伝子とは?。

男に生まれた自分の原点を見せつけられ、返す言葉がありません。

元々はメスとして発生したものが、必然性を持ってカスタマイズされてオスとなる。

帯タイトルの“イブがアダムをつくった”の一言に全てが語られています。

男は使い走りだったのね。

今まで疑問に思っていた自分の人生の一部が解明されたような気分です。

こんなに複雑な内容を、なぜ、これだけ分かりやすく伝える事が出来るのでしょう。

さすが福岡ハカセです。

昆虫を追い求めていた少年が生き物の成り立ちを紐解く。

一つの事を追い求め続けた人にしか出来ないでしょう。

これからは、できそこないなりに自分を見つめ、それでも出来る事を追及していこうと心に誓ったのでした(院長)。

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