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読書 425 アイスランド 絶景と幸福の国へ 著者 椎名 誠

2022年01月26日 10:20 AM

アイスランド「南米パタゴニアから北極圏まで、世界を旅した作家・椎名誠“最後のでっかい旅”の目的地は北欧の島国アイスランドだった。火山と氷河が織りなす大自然に目をみはり、怪物のような巨大鮫猟に同行し、フィヨルドの恐怖的断崖におののきつつ、敬愛する作家ジュール・ヴェルヌの小説の聖地巡礼に胸躍らせる。そして、厳しい土地でありながら、幸福度ランキングの上位常連国に暮らす人々と語り合ってわかった「幸せの国の現実」とは。著者が撮影した写真も多数収録。美しい島をめぐり、幸せについて考えた、今だからこそ読みたいアイスランド紀行。」

 

幸福度。

いくつかの基準の比較で、幸せな国のランキングが行われています。

この、アイスランドは世界9位。

一方、日本は43位。

幸福って一体何?ということを立ち止まって考えさせられました。

これは、相対的なものではなく、人それぞれが、与えられた環境に如何に満足できるかということも大きいかと思います。

チベットの巡礼者の話が出ていました。

一般的には過酷なイメージが先行してしまいますが、彼らにとっては、自分が健康で、旅が出来る路銀と時間があり、一生の夢であった巡礼ができるということに限りない喜びを抱いているということでした。

毎日の五体投地拝礼は当然厳しいが、それが厳しければ厳しいほど巡礼者の「幸福」の福徳は増大していく。だから、苦しい、なんて思いは巡礼者にはまるでないと・・・。

とてもストレートな感覚だと思います。

自分でも、コロナの自粛前までは、北丹沢の12時間耐久トレイルレースで毎年、約43キロの山道を、水を背負って8時間位かけて、7月の炎天下の中で走ったり、ウルトラマラソンで富士五湖一周110キロを走ったりしていました。

はた目から見ると、なぜ、そこまでしてという感じだったと思いますが、自分自身の可能性と限界を肉体的にも精神的にも思い知らされる、至福の時でした。

山道の下りを走る時は、瞬間瞬間のコース取り一つで、転倒を回避し、“今”という一瞬一瞬の積み重ねで時間の“点”が“線”になってつながっているということを他のすべてを忘れて体感できる貴重なチャンスでした。

この本で書かれているアイスランドは、軍隊を持たず、原発もなく、野菜はジャガイモくらいしかとれない、人口35万人の国です。

その旅の中で、シーナさんは、“幸福”を一つ一つ見つけていきます。

足るを知ることによって、幸せということは生まれてくるんだということを教えられました。

また、自分が幸せになることによって、目の前の人たちも幸せになれるという、“幸せの種まき”も感じ取れました。

今まで、シーナさんの本を20代の頃から沢山読んできましたが、“最後のでっかい旅”ということで、過去の怪しい探検隊をふくめた探検の数々のまとめのような本。

これからも探検、冒険は続くと思いますが、一区切りということで、あらたな旅をまた、見せてくれると思います。

「十五少年漂流記」「地底旅行」など、私も大好きなジュール・ベルヌの話も出てきました。

私自身も、アイスランドの旅を疑似体験したような気分になっています(院長)。

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