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読書 443 おかえり 横道世之介 著者 吉田修一

2022年08月19日 10:18 AM

世之介「バブル最後の売り手市場に乗り遅れ、バイトとパチンコで食いつなぐこの男。横道世之介、二十四歳。寿司職人を目指す女友達、大学時代からの親友、美しきヤンママとその息子らと共に、「人生のダメな時期」を笑顔で過ごしていく。青春小説の金字塔、ふたたび。」

 

「横道世之介」に続き読みました。

前作品で、暖かくも切ない感情で心がいっぱいになった記憶があったため、その流れで読み進めましたが、今回も同様の空気感に包まれています。

帯びタイトルの「人生のダメな時期、万歳。人生のスランプ、万歳。」はまさに、この小説の真髄を表しています。

どのような状況に置かれても、ある程度悩みはするが、流れに身を委ね抗わずに自分を生きる。

なかなか出来ることではありません。

彼の存在により、周囲の人たちとのつながりが生まれ、それぞれが自分の生き方を見つけていく。

触媒のような存在ですね。

 

巻末に、映画化された「横道世之介」主演の高良健吾と沖田修一監督との対談が掲載されています。

それぞれの立場で解釈されていて、この小説の深さを確認することが出来ました。

小説の続編も進行中のようなので、ゆっくりと待ちたいと思います。

いつもでも、どんな時でも、幸せにしてくれるお話でした(院長)。

 

   

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